ドメイン争奪戦
2005/6/28作成
JPRSが設定したsuspended期間の1カ月が過ぎると再度ドメインを取得することができます。
1カ月後は誰もが平等にドメインを取得する機会が与えられるはずなのですが・・・
○JPRSに確認
今回は管理人の不手際でドメインの更新を怠ってしまったわけですが、とはいえメールが使えなくなっていたという不幸な出来事もあったのでなんとか救済措置は無いものかとダメモトでjpドメインを管理しているJPRSに聞いてみました。
あっけなく「そういうことはレジストラ経由でやってくれ」と言われたわけですが・・
そのとき再登録についての確認をしておきました。
- 再登録が可能になるのはSuspendedが解除される1カ月後の6月1日の0:00
- 時間は日本時間
- Suspendedが解除されたあとは、前の所有者も関係なくすべての人が平等に登録する機会が与えられる
- 早い者勝ち
図にするとこんな具合です。
○深夜の争奪戦
長い1カ月でした。
DNS関連の設定で夜中の作業になることが予想されたので6月1日は午後から出社する手配までして準備は万端。
1時間前からパソコンに向かい、レジストラの登録サイトを開いて準備を整えていました。
ラジオの時報を合図に登録開始です。
ところが、例のsupended画面が表示され登録できません。
5分くらいひっきりなしにくり返していたのですが、やっぱりSuspendedが解除されません。
自分のところのFreeBSDマシンからもwhoisを叩いてみることにしました。
こちらもやっぱりSuspendedです。
そのまま3時くらいまでサイトから挑戦してみたりwhoisを叩いてみたりしたのですが、いっこうに登録可能にはなりませんでした。
JPRSの設定ミスか何かだろうということでとりあえずその日はもう寝ることにして朝になったらJPRSに連絡を取ってみることにしました。
○翌朝
翌朝、JPRSに確認する前の8時くらいに、もう一度whoisを検索してみました。
Suspendedは解除されていました。しかしActiveになっていて、知らない人の登録情報が入っていました。
どうやら別の人がドメインを取得してしまったようです。
でも、納得いかないことがあります。
登録年月日が0:30頃になっていました。
その時間は私がひっきりなしに登録サイトで手続きをしていたりwhoisを叩いていた時間です。
私は何度やっても登録はできなかったのですが。
3時まで挑戦していたのですが、そのときにはすでにSuspendedどころじゃなく、新しい登録者によってActiveになっていたんですね・・・
どうやら、私には登録する機会を得られずに四苦八苦している間に、他の誰かが私の知らない方法で登録していたようです。
ますます訳がわからないので、いよいよJPRSに確認してみることにしました。
○JPRSの主張
下記は要約なので口調がぶっきらぼうな表現になってますが、ちゃんと営業的な会話をしてます。
管理人 > 「6月1日にSuspendedが解除されるドメインの登録をしようとしていたのだが、解除されなかったため登録できなかった。そうこうしているうちに他の人がドメインを取得してしまった。ドメインの取得はみんなが平等に機会を与えられると言ったのに全然違うじゃないか」
JPRS > 「JPRSは0:00になったらSuspendedを解除して、ドメインの申請を受け付けられる状態にした」
管理人 > 「でも、whoisで調べたらSuspendedのままだった」
JPRS > 「whoisデータベースは更新されるまで時間がかかる。でもドメインの申請は受け付けていた」
管理人 > 「でも、レジストラで登録しようとしたら登録できなかった」
JPRS > 「それはレジストラに聞いてくれ」
だそうです。
レジストラにたらい回しにされてしまいました。
○レジストラの主張
管理人 > 「6月1日にSuspendedが解除されるドメインの登録をしようとしていたのだが、登録できなかった。JPRSは0:00にSuspendedを解除したと主張している。レジストラのシステムに問題があったのではないか?」
レジストラ > 「問題はない」
管理人 > 「でも登録できなかったのはなぜか?」
レジストラ > 「ドメインはwhoisで検索して登録可能なものを調べる。whoisでSuspended状態のものは登録できない」
管理人 > 「whoisは更新されるまで時間がかかる。そもそも、JPRSはSuspendedを解除していたのだから登録は可能なはず」
レジストラ > 「うちはwhoisで調べてから登録するというルールでやっている。他もだいたい同じようなルールだ」
管理人 > 「実際、登録している業者が他にあって、登録されてしまったのだが」
レジストラ > 「予約という形で受け付けている業者もあるらしい」
管理人 > 「あんたのところではやってないのか?」
レジストラ > 「うちはやってない」
管理人 > 「どこでやっているのか教えて欲しい」
レジストラ > 「噂で聞いただけなので詳しくは知らない」
管理人 > 「なんでそんな不公平なことになっているのか?」
レジストラ > 「JPRSに聞いてくれ」
またたらい回しにされてしまいましたよ。
その後は堂々めぐりになりそうだったのでJPRSには聞いていません。
ちなみに、6月1日の深夜に他のレジストラでも登録を試みていたのですが、やっぱり登録不可能でした。
問い合わせたレジストラの言うとおり、多くの業者がwhoisで確認しているようです。
○両者の主張と問題点
両者の言い分を整理すると次の通りになります。
- JPRSは0:00にはSuspendedを解除した
- JPRSがSuspendedを解除しても、whoisに反映されるまでには時間がかかる
- JPRSはSuspendedが切れた瞬間からドメインの申請を受け付けている
- 一般人は直接JPRSに申請できないので、レジストラ経由で申請することになる
- 多くのレジストラはwhoisで調べて"no match"のものについて申請を受け付けるようになっている
- 一部のレジストラはwhois情報に頼らず申請を受け付けている
ここでの問題点は、次の通りです。
- JPRSの運用とレジストラの運用に乖離がある
- 双方でこの問題を解決する動きが全くない。そもそも問題と認識していない
- JPRSもレジストラもみんなが平等にドメインを取得する機会があると言い切っている
- しかしながら、運用の乖離によってレジストラにタイムラグが起きる可能性があることをどこにも周知されていない
- その結果、事情に詳しい人が優先的にexpireしたドメインを取得できるようになっている
問題点を図にすると次の通りです。
どのタイミングで申請の受付をするのかはそれぞれのレジストラに任されているため利用者にとっては不便が生じてしまうわけです。
双方がそれぞれ自分の範囲で責務を全うしているのでしょうが、もう少し利用者の立場を考えて改善していって欲しいものです。
少なくともJPRSの受付条件と各レジストラの受付条件はそろえていただきたいです。
レジストラは「JPRSの指定業者」なわけですから。
○結局
「私はどうすればそのドメインを取得できたのですか?」と双方に聞いてみたのですが、双方とも明確な答えは出してくれませんでした。
どうしてもそのドメインを取得したければ現在の所有者と交渉するようにとは、申し合わせたように口をそろえます。
予約を受け付けてくれるレジストラを見つけるしか無いのでしょうね。
そもそも、ドメインの更新を忘れなければこういったことも無かったので、自業自得なのですけどね・・。
○【おまけ】whoisについて
whoisはtcp/43によるサービスで、実はクライアントアプリケーションさえあれば誰でも参照できます。
jpnicやレジストラにあるWebベースのものを使わなくてもLinuxやFreeBSDがあれば使えます。
コマンドラインから次のように入力します。
% whois example.co.jp
ドメインのみで、ホスト名は入れません。
jpドメインの場合はwhois.jprs.jpに問い合わせに行くようです。
ちなみに、SSLのサーバ証明書のドメイン所有者の確認をするときもwhoisで確認してから発行するようになっています。
この話はまた別の機会に。